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2023年8月18日 金曜日

タバコと歯周病の関連性

皆さん、こんばんは。
歯科衛生士の山口です。
今回はタバコと歯周病の関連性についてお話しします。
タバコが肺に与える悪影響はすでによく知られていることですが、最近では肺だけでなくお口の中にもかなりの悪影響を与えることが知られてきました。
タバコはお口の中に次のような悪影響を与えます。
①お口の中の悪い細菌と戦う白血球などの免疫機能が低下します
②歯周病の原因菌が増加します
③歯肉の血管が縮小し血流が悪くなり、歯肉の瑞々しさがなくなります(燻製状の歯肉と言われています)
④歯の表面にヤニが付着し着色や汚れが付きます
⑤歯肉にもヤニが付着し歯肉の色が黒っぽくなります
⑥歯石を取ってもすぐまたヤニなどの汚れが付いてしまうので、治療の効果が表れにくくなります
⑦歯を抜いた時や歯周病の手術などで傷ができた時の歯肉の治りが悪くなります
⑧舌癌や歯肉癌などお口の中の癌は肺癌や胃癌と比べるとかなり珍しいですが、その発生者の多くは喫煙者です
喫煙による歯周病への影響
お口の中は、体の中で最初に喫煙の影響を受ける部分です。
タバコの煙や成分は、口の中に入ると粘膜や歯肉から吸収されますが、吸収された有害物質は、血管を収縮させて歯肉の血流量を減少させます。
血液循環が悪化して歯肉に十分な酸素がいきわたらなくなると、歯周ポケットの中で歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。
細菌が産生する毒素は歯周ポケットをさらに深めるとともに歯を支える骨を溶かし、進行すると歯がぐらぐらするようになり、さらに進むと歯が失われます。
歯肉からの出血は、炎症という正常な生体防御反応のサインですが、喫煙者では血管収縮による血行不良により炎症が抑えられるため、歯肉の出血や腫れが現れにくいことが特徴です。
歯周病の治療に重要となる禁煙
喫煙者は非喫煙者に比べて、歯周病の治療の効果が低いことや処置後の治りが良くないことも問題です。
歯磨きと歯石除去は歯周病の基本治療とされていますが、喫煙者には十分な効果が期待できません。
外科的な処置によって骨の形を良くしたり、歯周ポケットを減らした場合の治療効果も同様です。
喫煙は歯周病を予防や治療をさまたげる原因であるという認識に基づき、歯磨きと歯石除去を基本に、喫煙者の歯周治療には禁煙が必要です。
禁煙すると歯肉の状態が回復し、免疫や細胞のはたらきが高まるため、歯周病のリスクが低下し治療効果が上がることが明らかになっています。
ある程度進行した歯周病であっても禁煙は有効であるといわれていますので、禁煙の実行に遅いことはありません。
【1分間からはじまる禁煙の効果!】
1分間…ニコチン(依存をつくる)やタール(発がん物質)に受けたダメージを回復するために、からだの機能が働きはじめます
20分間…キューっと収縮していた血管が元に戻り、手足や歯茎の血行がよくなります
8時間…血液のなかの酸素濃度、血中酸素分圧が正常にもどり、運動能力が改善します
24時間…心臓発作を起こす可能性が低下、血圧の改善がはっきりしてきます
48時間…嗅覚と味覚が復活しはじめ、食事がおいしく感じられます
72時間…依存を作り出すタバコの武器、ニコチンが身体から完全抜けます
歯肉の炎症の治りがよくなり、歯周病治療の効果が出やすくなります
1週間…睡眠のリズムが正常に戻り、熟睡できるようになります
2週間…身体全体の血流がの流れが改善し、歯周病改善への大きな一歩です
お肌に張りツヤが戻ります
4週間…禁煙により脱離症状が軽くなり、禁煙のストレスが減ってきます
禁煙は、ペースも始める時期もきっかけも人それぞれです。
「禁煙してみようかな」と頭をよぎった時に、「そのときできそうなこと」から始めてみてください。
大切なのは「やってみようかな」という少しの気持ちと行動にうつす最初の一歩です。
たった1分から禁煙達成への道のりは始まります。
失敗してもそれは意志の弱さではなく、脱離症状や禁煙ストレスを引き起こすタバコのせいです。
少し進んで戻っても、次にまた進めば問題ありませんので、禁煙をしておいしくお食事を食べられる状態になりましょう!
歯周病・予防治療 | 茂原市の歯医者 イースト歯科茂原
2021年8月11日Facebookより
 

投稿者 藤井かおる歯科医院