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2023年8月18日 金曜日
歯科専用と市販品の違い
皆さん、こんばんは。
歯科衛生士の山口です。
今回は前回投稿しましたキシリトールガムの補足として、歯科専用と市販品の違いをお話しします。
キシリトールが白樺やかしの木などの原料から作られる天然素材の甘味料であることは、前回のコラムでお話しした通りです。
砂糖と同じくらいの甘みがあるのにカロリーはお砂糖の70%、酸を産生しないことが虫歯予防として大きな魅力になることから様々なキシリトールガムが販売されています。
キシリトールガムは歯医者さん以外でも、街中のスーパーでも多くの種類が販売されていますが、歯科専用のキシリトールガムと市販のキシリトールガムではキシリトールの含有量が異なります。
この含有量の違いはキシリトールガムの特徴や効果に大きく影響してきます。
・歯科専用キシリトールガムの特徴
歯科専用のキシリトールガムは矯正装置をつけている方や義歯を使用している方にも食べやすいように、歯にくっつきにくガムベースを使用しています。
市販品の約2倍の固さがあり、咀嚼力を鍛えることができますし、しっかり咬むことで唾液の分泌を促すことにもつながります。
また、初期虫歯である『脱灰』を修復する『再石灰化』を促進するために再石灰化増強成分を多めに配合することで、歯の主成分である『リン酸カルシウム』と『フノラン』を市販品より多く配合しています。
・キシリトールガムの選び方
①キシリトールガ製品に含まれている甘味料の割合が50〜60%以上を占めていること
糖質中におけるキシリトールの割合が50%を超えていることを確認し、できるだけ高配合のものを選びましょう。
市販されているキシリトールガムの場合、キシリトール配合と書いてあっても、微量しか配合されていない場合もあるので注意が必要です。
②キシリトール以外の甘味料は低酸性のものを使用していること
キシリトールが配合されていても、砂糖など酸が出る甘味料が入っていては意味がありません。
「シュガーレス」表示を確認し、糖類が0gであるかの確認が大切です。
③クエン酸などの酸を含んでいないもの
柑橘類などの香料が多量に含まれる場合、酸を産生する可能性があるので配合されていないものを選びましょう。
・キシリトールガムの効果的な咬み方
①1日に5~10g摂取する
むし歯予防に必要なキシリトールの量は1日5~10gです。
歯科専用のキシリトールガムには、1粒につきキシリトールが1.3g含まれているので、1日4粒~8粒を目安に摂取してください。
②一度にたくさんより、何度かに分けて摂る
おすすめのタイミングは食後や間食後です。
朝食後・昼食後・おやつの後・夕食後・就寝前などに取ると良いでしょう。
食後お口の中に残った糖分や酸を唾液で洗い流すために、歯磨き前に咬むのがポイントです。
そして、一度にたくさんより1日の内3~4回以上に分けて摂取します。
キシリトールが100%配合されているガムであれば就寝前に摂取しても問題ありません。
③ガムは味がなくなっても5~15分咬む
咬み始めて最初に出てくる甘い味がキシリトールです。
特に、100%キシリトールを甘味料に使用している場合は味が持続しないことが多いですが、 味がなくなっても唾液の分泌を促進するために5~15分咬みましょう。
効果的にキシリトールガムを摂取し始めて2週間ほどでプラーク(歯垢)が付きづらくなり、3か月でミュータンス菌に対する効果が現れてむし歯になりにくいお口の環境にすることができます。
まだガムを咬めないお子様には、歯科専用のキシリトール100%のタブレットもあります。
今後キシリトールガムを購入されるときは、商品の裏面にもご注目ください。
2021年7月28日Facebookより
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