2023年8月18日 金曜日
子どもにトラウマを与えないように
今日のできごと。藤井です。
3歳の男の子の虫歯の治療でした。お母さんは、息子は多分途中で泣いてやれないだろう。しかし忙しいので何とか今日中に終わらせてほしいから、拘束具を付けてでもやってほしいと。。。
気持ちはわかります。毎日子育てが大変な中で、虫歯の治療なんてとんでもなくお互いにストレスのたまる事。拒否する息子のために何度も通院するのは嫌でしょうし、息子だって出来なくて何度も通うことは嫌でしょうし。。。
でも、私も無理やり処置をして心を傷つけたくないし、”治療は怖いかもしれないこと”から”治療は怖くないもの”に認識を変えてほしいと思っています。
お母さんには、拘束具を付けて治療することでトラウマにさせたくないことを伝えました。注射をすることも本人に伝えたいといいました。お母さんには「注射なんて言葉だけで多分泣き出しちゃうと思うから言わないでやってほしい」といわれました。けれど言わないでやれば裏切られたと思われるだけで、歯医者が嫌いになってしまうと言いました。何をやろうとしているのか全部理解した上で、本人が治療を頑張れると決断できたら、ここで治療をしますと伝えました。お母さんは不安げではありましたが、納得してくださったので、治療の説明を保育士がアニメーションや実物を見せながら丁寧に説明しました。
表面麻酔を三分間じっと我慢していること、治療中手をお尻の下に入れておくことをお約束にしました。
私が顔を出すと、とても不安そうな顔をしましたが、それでも目に涙を浮かべながら、頑張ると言いました。表面麻酔はお薬をおいて唾液で薄まらないようガーゼで押さえましたが、この3分はお母さんに押さえてもらうことにしました。よく頑張ってくれました。
表面麻酔の3分が過ぎ、治療が始まりました。手はお尻の下のお約束でしたが、治療中に手が出てこないようにするためなので、お母さんと手をつないでもらうことに変更し、お注射が始まりました。・・・・あれ???きょとんとしています。お注射始まってるよ!大丈夫?返事はないものの、じっと辛抱してくれています。お注射は1分ぐらい。痛くならないようにゆっくり液を入れるのですが最後までじっとしてくれました。
その後3分おいて、歯を削ります。スプーンで深いむし歯を掻き出すときに少し声が出ましたが、おおむね順調に治療は進み、最後お薬を詰めて終了!あっという間に笑顔になりました。
とてもおりこうさんにできました。何よりも頑張って治療ができたお子さんを見るお母さんの顔が印象的でした。親子って良いものだなあとつくづく感じてしまいました。多分無理だろうと思わず子供ときちんと向き合ったことで、子供が新たな挑戦を乗り越えることが出来たこともとても良かったと思います。
拘束具を付けて治療をすることで、大人になっても治療が恐くて歯医者に行けない。。。そんな大人になる可能性もあります。
はじめはイラストのような状態でも、きちんと治療ができるようになるお子さんは沢山います。あきらめずに連れてくる親御さんも大変だとは思いますが、一つ一つの出来事が、成長する中でとても大きな思い出になり、それが自信につながり、また一つ大人になります。自分のお子さんを信じて、前向きに治療に臨んでもらえたらと思います。
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